軽自動車と普通自動車の違い
「軽自動車」は、法律上は二輪車や三輪車も含まれます。
なので「軽四輪」といった呼称で区別して呼ばれることもありますが、
実際、三輪自動車は現在使われることはほとんどありませんし、
二輪自動車といえばバイクといわれることがほとんどです。
一般に「軽自動車」といえば「軽四輪」のことでしょう。
現在、四輪の軽自動車とは、
・全長3.4m以下
・全幅1.48m以下
・全高2m以下
・排気量660cc以下
・定員4名以下
・貨物積載量350kg以下
と普通車よりも小さめです。
車両が道路を占める割合や、道路を傷める割合が小さいことを理由に、
高速道路において軽自動車は、普通車より通行料金が安く設定されています。
公道を走る普通車は1台1台、国に登録されますが、簡単にいうと土地や建物といった不動産の登記に相当します。
このため普通車は「登録車」ともいわれます。
軽自動車は国に登録されません。
普通車の登録を行う場所は国の陸運支局ですが、
四輪の軽自動車の場合、軽自動車検査協会で車検証とナンバープレートを取得します。
普通車が「登録車」と呼ばれるのに対し、四輪の軽自動車は「届出車」とも呼ばれます。
税金面でも違いがあり、軽自動車は普通車に比べて安く設定されています。
普通車は総排気量に応じて「自動車税」が課され、自家用乗用車の場合、
最も低い総排気量1L以下で年2万9500円、次に低い1L超〜1.5L以下で年3万4500円です。
軽自動車に課せられる「軽自動車税」は、
「標準税率」を年1万800円(2015年4月1日以降に初度検査を受けたもの)と定められています。
金額を見てみるとだいぶ差があります。
軽自動車とは、1949年の法律改正によって、
それまでの「小型自動車」が、「小型自動車」と「軽自動車」に分割されてできた「自動車の種類」です。
二輪、三輪、四輪の区別はなく、寸法と排気量、定格出力が小型自動車より小さなものとして定められ、
たとえば自転車に補助エンジンをつけただけの二輪車なども該当します。
もちろん税金も安く抑えられました。
昭和20年代、「軽自動車」とは、二輪車や三輪車がほとんどだったといいます。
しかし、その後に登場した「軽自動車の規格に沿った四輪乗用車」は、
日本の家庭における乗用車の普及率を押し上げました。
そうした経緯もあり、長年にわたり税金が安く据え置かれていたといえます。
一般社団法人 日本自動車工業会が2016年3月にまとめた「軽自動車の使用実態調査報告書」からは、
自家用軽四輪乗用車の所有者について「世帯年収400万円未満の層が最も多い」という状況が見られています。
多くの人選択する理由として
「税金の安さ」、「燃費の良さ」、「車検費用の安さ」
といったコスト面におけるメリットを挙げています。
普通車への買い替えに対しては、多くの人が「経済的な負担が増すので車を持つことができなくなる」
と答えています。
普通車との車両価格は縮まってきていますが、諸経費や維持費についてはまだまだ軽自動車の方が負担が少ないといえます。
ちなみに、車体の改造などによって軽自動車の寸法規格をオーバーすると、普通車として扱われます。
税率が上がってしまうため、あえて軽自動車を普通車にしようとすることは一般的には稀かもしれませんが、
光岡自動車でそのようなクルマを販売していたことがあります。
